欧州理事会

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© European Community, 2005

欧州理事会(〔独〕Europäischer Rat、〔仏〕Conseil européen、〔英〕European Council)は、欧州連合加盟国の首班会議。欧州連合に対して必要な刺激を与え、欧州連合の発展のために一般的な政治目標を設定するのが任務である(欧州連合条約4条1項)。「EU首脳会議(EUサミット)」とも呼ばれる。もっとも、「EU首脳会議」というのは俗称であるが、本質を捉えた分かりやすい用語のため、メディアだけでなく、欧州委員会なども非公式文書においては普通に使用している。

現段階ではEUが法人格を有していないため、法的な意味で、欧州理事会がEUの「機関(Organ)」であるか否かには議論がある。

欧州会議(欧州評議会)や理事会(閣僚理事会)とは別物であるが、(とくに原語において)混同しやすいので注意が必要である。

沿革

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© European Community, 2005

欧州理事会は、単一欧州議定書により初めて明文化されたが、存在自体は1975年に遡る。第1回欧州理事会は、1975年3月にダブリン(アイルランド)で開かれた。

構成

欧州理事会を構成するのは、加盟国の国家首班・政府首班、及び、欧州委員会の委員長である(欧州連合条約4条2項1文)。また、外務担当の閣僚と欧州委員も、補助者として同席する(同2文)。

少なくとも、年二回開催される(同3文)。

議事進行

議長は、理事会議長国の首班がつとめる(欧州連合条約4条2項3文)。議決は、コンセンサス方式による(慣例)。議論が揉めて徹夜の討議になることもある。