理事会

理事会(〔独〕ラート(Rat)、〔仏〕コンセイユ(Conseil)、〔英〕カウンシル(Council))は、欧州諸共同体の機関の一つ。欧州連合理事会ともいう。また、各国の閣僚により構成されるため、閣僚理事会(〔独〕Ministerrat)ともいう。欧州憲法条約が施行された暁には、閣僚理事会が正式名称となる見込みである。

欧州諸共同体に各加盟国の利益を反映するための機関である。この役割は、立法活動の一端を担うことによって果たされる。位置づけとしては、ドイツ連邦共和国における連邦理事会(連邦参議院、Bundesrat)に最も近い。合衆国の上院とは、選挙が介在する点で異なるといえる。

理事会は、所轄の政府代表(通常は所轄の大臣)が決議を行う場として設定されており、議題によって構成員が異なるという特徴を持つ。したがって、どの大臣が集まるかによって呼び分けることが行われている。例えば、「一般理事会」というのは外務大臣により構成される理事会であり、エコフィン理事会というのは、経済・財務を担当する大臣により構成される理事会である。こういった構成員の違いにかかわらず、これらは法的にはすべて「理事会」と総称される。

したがって、首相が所轄の事項に関しては首相による理事会というものも開催されることになるわけだが、法的には、この理事会と欧州理事会は区別すべきものとされる。なぜなら、この理事会はあくまで欧州諸共同体の機関として活動するのに対し、欧州理事会は欧州連合全体の方向性を決定する役割が期待されているからである。