欧州決議

欧州決議(〔独〕Europäischer Beschluss)は、欧州憲法条約33条に規定された欧州連合(EU)の立法形式の一つ。従来の共同体決定(Entscheidung)に相当する。

決議(Beschluss)という法形式は、従来から実務上用いられていたが、欧州共同体条約249条はその効力に関する規定を置いていなかった。このため、その法的効力はきわめて不明確・恣意的なものとなっていた。この意味で、欧州連合条約が欧州決裁の効力に関して一般的な規定を置いたことは評価できる(もっとも、それが従来の「決議」と同じとは限らない)。

欧州憲法条約33条1項5段によれば、欧州決議の法的特質は次の通り:

  1. 欧州決議は、法律的特質(Gesetzescharakter)を有しない。すなわち、個人の権利義務の設定に関しては、欧州法律・欧州枠組法律を用いるべきであって、欧州決裁を用いるべきではない。
  2. 欧州決議は、そのすべての部分について、拘束力を有する。
  3. 欧州決議は、特定の名宛人を有し、その名宛人に対してのみ拘束力を有する。