ポーランド

Rzeczpospolita Polska

ポーランドは、中央ヨーロッパないし東ヨーロッパの国。共和政。1999年よりNATO加盟国。2004年よりEU加盟国。首都はワルシャワ。公用語はポーランド語。通貨はズロチ(Złoty、我が国では伝統的に「ズロチ」と呼ばれるが、実際の発音はむしろ「ズウォーティ」に近い)。国旗は紅白二色旗。国歌はドンブロフスキのマズルカ(Mazurek Dąbrowskiego)。

かつては東ヨーロッパ(東欧)という概念がよく用いられていたが、この概念は冷戦の東西対立と結びついていた。そこで、ドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー帝国の領土として一つの文化圏をなしていた歴史に鑑み、民主化後、欧州連合加盟を見据えて、中央ヨーロッパ(中欧)という概念が使用されることが多くなった。EUでは、加盟前は旧共産圏諸国のことを「中東欧諸国(MOEL = Mittel- und Osteuropäische Länder)」と総称することが多かった。

歴史的に、他国の支配を受けることが多く、特にプロテスタントのプロイセンとロシア正教のロシアの支配を受けたため、独立運動とカトリック信仰が結びつき、現在でも、敬虔なカトリック教徒かつ愛国者という人が多い。なお、前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世もポーランド出身であり、法王は旧共産圏からの脱却を支援したため、ここでもカトリック信仰と民主化・愛国が結びついた経緯がある。

ドイツとは長年領土問題があった。ポーランドは、第一次世界大戦におけるドイツ・オーストリアの敗戦により独立したが、このとき西プロイセンがポーランド領となった(その結果、東プロイセンは飛び地になった)ことがドイツ人による国土回復運動を惹き起こし(いわゆる「ポーランド回廊」問題)、ここにヒトラーが攻め込んだのが第二次世界大戦の始まりであった。

第二次世界大戦の戦後処理では、ソ連の意向により、ポーランドは(戦勝国であったにもかかわらず)かつてポーランド・ソ連戦争で獲得したカーゾン線以東の領土を失い、その代りにオーデル川・ナイセ川以東のドイツ領がポーランドに割譲された(もっともこれは暫定的な国境線であるとされた)。これにより領土問題はさらに複雑化した。

結局、ドイツ連邦共和国(BRD)とポーランドがオーデル・ナイセ線を国境線であると確認したのは、20年以上も経った1970年のことであった。

《ポーランドの旅行案内》

  1. 地球の歩き方 (A26) チェコ ポーランド スロヴァキア
  2. ヨーロッパの世界遺産〈5〉ロシア・ポーランド・ブルガリア・ルーマニア・マケドニア・北欧
  3. 旅の指さし会話帳 (58) ポーランド

《ポーランドに関するマンガ》

  1. 天の涯まで―ポーランド秘史

《ポーランドに関する文献》

  1. ポーランド〈上巻〉
  2. ポーランド〈下巻〉
  3. 善意の架け橋―ポーランド魂とやまと心
  4. ポーランドを知るための60章
  5. ポーランドのくらし―日本の子どもたちがみた、森と平原の国ポーランド
  6. 中欧論―帝国からEUへ
  7. 中欧―ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー
  8. ポーランドの高校歴史教科書―現代史
  9. ポーランド・ウクライナ・バルト史
  10. ポーランド音楽の歴史
  11. マックス・ヴェーバーとポーランド問題―ヴィルヘルム期ドイツ・ナショナリズム研究序説
  12. イスタンブル東方機関―ポーランドの亡命愛国者
  13. 近世ポーランド「共和国」の再建―四年議会と五月三日憲法への道
  14. ポーランド近代経済史―ポーランド王国における繊維工業の発展(1815‐1914年)
  15. ポーランド人と日露戦争
  16. 世界のなかの日本・ポーランド関係―1931-1945
  17. 第二次大戦のポーランド人戦闘機エース
  18. 戦争と占領―あるポーランド家族の体験
  19. 異郷と故郷―ドイツ帝国主義とルール・ポーランド人
  20. 奪われた祖国ポーランド―ミコワイチク回顧録
  21. チェシチ―うねるポーランドへ
  22. 「連帯」10年の軌跡 ポーランド・おしつぶされた改革 チェコスロバキア
  23. ワレサ自伝―希望への道
  24. 民主主義の天使―ポーランド・自由の苦き味
  25. ポーランド体制転換論―システム崩壊と生成の政治経済学
  26. 欧州の大国ポーランド―高成長の秘密
  27. 東欧チャンス