アリストテレース

アリストテレース(アリストテレス)は、古代ギリシャの著名な哲学者である。当時の「哲学」とは今日のような狭い意味の「哲学」ではなく、真理を探究する学問一般のことを指し、「哲学者」といっても今日の狭い「哲学」に功績は限定されない(真理を探究する点でソフィストと区別される)。中でもアリストテレースは、人間生活に関係するほぼすべての分野を扱い、古典期の多くの学問分野の礎石を築いた点で大きな功績がある。アリストテレースの哲学は、後世、中世神学に採り入れられて、いわゆるスコラ的方法論を生み出し、その業績は(古典古代の復興運動であるルネサンスも手伝って)全欧州に伝播した。このため、欧州においては、現在でも、ほとんどの学問分野において学説史を辿ると必ずアリストテレースに突き当たることになる(したがって、諸学の祖であると考えられている)。

〔アリストテレス全集(岩波書店)〕