欧州石炭鉄鋼共同体
欧州石炭鉄鋼共同体は、1952年7月23日から2002年7月23日まで50年間存在した国際組織。いわゆる「超国家性(Supranationailtät)」を有する初めての国際組織。ヨーロッパの石炭・鉄鋼産業を国際的に管理した。
欧州石炭鉄鋼共同体設立の契機となったのは、フランスのロベルト・シューマン(ロベール・シューマン、Robert Schuman)外務大臣のいわゆるシューマン宣言である。これは、フランスとドイツの対立を防止するために、石炭・鉄鋼産業を共同管理とし、共同管理のための国際組織を設立するというものである。
このコンセプトに基き、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの6か国により、1951年4月18日に欧州石炭鉄鋼共同体設立条約(パリ条約)が締結された。同条約は1952年7月23日に発効し、欧州石炭鉄鋼共同体が設立された。
欧州石炭鉄鋼共同体の執行機関として高等行政庁(Hohe Behörde)が設置され、その権限は「超国家的」なものとなった。合併条約後は、欧州経済共同体・欧州原子力共同体との共同の欧州委員会となった。
2002年に条約の期限が到来して消滅したが、「欧州石炭鉄鋼共同体条約は欧州共同体条約の特別法である」との論理の下、欧州石炭鉄鋼共同体の業務は、そのまま欧州共同体に引き継がれた。
歴代高等行政庁長官・欧州委員会委員長
- ジャン・モネ(Jean Monnet、フランス):1952年~1955年
- ルネ・マイェール(René Mayer、フランス):1955年~1958年
- ポル・フィネ(Paul Finet、ベルギー):1958年~1959年
- ピエロ・マルヴェスティーティ(Piero Malvestiti、イタリア):1959年~1963年
- ディーノ・デル・ボー(Dino Del Bo、イタリア):1963年~1967年
- ジャン・レ(Jean Rey、ベルギー)
- フランコ・マリア・マルファッティ(Franco Maria Malfatti、イタリア)
- シッコ・レーンデルト・マンスホルト(Sicco Leendert Mansholt、オランダ)
- フランソワ=シャヴィエル・オルトリ(François-Xavier Ortoli、フランス)
- ロイ・ハリス・ジェンキンス(Roy Harris Jenkins、連合王国)
- ガストン・エグモン・トルン(Gaston Egmond Thorn、ルクセンブルク)
- ジャック・ルシアン・ジャン・ドゥロール(Jacques Lucien Jean Delors、フランス)
- ジャック・サンテール(Jacques Santer、ルクセンブルク)
- マヌエル・マリン(Manuel Marín、スペイン)
- ロマーノ・プローディ(Romano Prodi、イタリア)
- ジョセ・マヌエル・バローゾ(José Manuel Barroso、ポルトガル)