欧州命令

欧州命令(〔独〕Europäische Verordnung)は、欧州憲法条約33条に規定された欧州連合(EU)の立法形式の一つ。欧州憲法条約により新しく導入された。

欧州憲法条約33条1項4段によれば、欧州命令は、欧州憲法・欧州法律・欧州枠組法律の施行のための法形式として予定されており、我が国の政令や省令など(これらをまとめて講学上「命令」と呼ぶ)に相当する。

欧州憲法条約36条は委任欧州命令(delegierte Europäische Verordnung)について、37条は執行欧州命令(Europäische Durchführungsverordnung)について規定しており、それぞれ、我が国における委任命令と執行命令に相当する。

欧州憲法条約33条1項4段によれば、欧州命令の法的特質は、次の通り:

  1. 欧州命令は、法律的特質(Gesetzescharakter)を有しない。すなわち、個人の権利義務の設定については、欧州法律・欧州枠組法律を用いるべきであって、欧州命令を用いるべきではない。
  2. 欧州命令は、一般的効力を有する。すなわち、個別・具体的な法定立には用いることができない。
  3. 欧州命令は、次のような、欧州法律又は欧州枠組法律に準じた効力を有する:
    • すべての部分について拘束力を有し、すべての加盟国において直接的な効力を有する(準欧州法律的効果)。
    • 名宛人であるすべての加盟国を拘束し、達成すべき目的に徴して拘束力を有するが、加盟国の担当機関は、形式と方法の選択について裁量を有する(準欧州枠組法律的効果)。